埋まっている親知らずは抜いたほうがよい?抜く流れと注意点も
こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。

歯科クリニックで親知らずが埋まっているといわれ、抜くか抜かないか迷っている方もいらっしゃるでしょう。「完全に埋まっているなら抜く必要はないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、放っておくとトラブルが引き起こされることもあります。
今回は、親知らずの生え方の種類や放置するリスク、抜く方法や注意点について解説します。
親知らずの生え方

親知らずとは、すべての永久歯が生え揃った後に歯列の最も奥に生える歯のことを指し、専門的には第3大臼歯といいます。第3大臼歯は18歳~20歳頃から生え始めることが一般的ですが、必ずしも上下の顎に合計4本生えるとは限りません。
親知らずの生え方には、主に以下のようなパターンがあります。
- まっすぐに生える
- 斜めに生える
- 横向きに生える
- 歯ぐきの中に完全に埋まっている
親知らずは、他の歯と同様にまっすぐ生えることもあります。
しかし、顎や歯の大きさ、本数などによって生えるスペースが不足している場合には、横向きや斜めに生えることもあります。斜めに生えているケースでは、歯冠の一部のみが見える状態で他の部分は埋まっていることがあり、これを半埋伏歯といいます。
また、完全に埋まって外側からは確認できないものを完全埋伏歯、真横に向かって生えていて完全に歯ぐきの下に埋まっているものを水平埋伏歯と呼びます。
なお、歯ぐきの下に埋まっている親知らずの状態を確認するためには、レントゲン検査を受ける必要があります。
埋まっている親知らずは抜いたほうがよい?

埋伏歯を抜いたほうがよいのか、そのままでもよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。放っておくと様々なリスクが生じることもあるため、抜歯を検討することが多いです。
埋まっている親知らずを放置するリスク
埋まっている第3大臼歯を放置するリスクは、以下の通りです。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
奥歯は目視で状態を確認しにくいだけでなく、ハブラシが行き届きにくいため、清掃性が悪くなります。また、親知らずが斜めや横向きに生えて一部だけ見えている場合には、凹凸やすき間ができやすいため食べカスや汚れが蓄積しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯並びが乱れる
親知らずがきれいに生え揃うためのスペースが不足している場合、手前の歯が押されて歯並びが乱れやすくなります。また、その状態で矯正治療を行っても、親知らずがある限り手前の歯が押されて後戻りを起こしやすくなります。
口臭が酷くなる
先にも述べた通り、親知らずは目視で状態を確認するのが難しく、ハブラシが行き届きにくい箇所です。そのため、食べカスやプラークなどが蓄積して口臭が発生しやすくなります。
また、第3大臼歯の周囲の歯ぐきの炎症によって膿が出るようになると、不快なニオイを発することもあるでしょう。
骨吸収が起きる
矯正治療では、歯の根っこに一定方向の圧力をかけることで骨が溶かされる骨吸収という現象を利用します。親知らずが埋まっている状態で手前の歯を押すと、矯正治療のときと同様に歯の根っこが溶かされて不安定な状態になることがあります。
その状態で放っておくと、次第に歯並びが乱れたり噛み合わせが悪くなったりすることが考えられます。
嚢胞ができる
嚢胞とは、体内に形成される袋状のできもののことです。完全に埋まっている埋伏歯では、嚢胞が形成されることがあります。嚢胞があっても痛みなどの症状はみられないことが一般的ですが、細菌感染を起こせば、炎症によって痛みや腫れなどの症状が出る可能性もあります。
また、まれに悪性腫瘍が疑われるケースもありますので、早めに診察を受けることが大切です。
埋まっている親知らずを抜く方法

ここでは、歯茎に埋まっている親知らずを抜く方法を確認しましょう。
検査
治療を行うにあたって、まずはレントゲン検査やCT検査などを行います。安全に治療を行うためには、親知らずの位置や生え方、向き、歯の根っこの状態をはじめ、神経や血管との位置関係などを把握する必要があります。
麻酔
親知らずの抜歯は、基本的に局所麻酔で行われます。麻酔薬は注射器で投与されるため、まずは注射針によるチクッとした痛みを軽減するために表面麻酔を施すことが一般的です。
表面麻酔と局所麻酔を施すため、処置中に痛みを感じるは基本的にありませんが、痛みが不安な方は事前に歯科医師へ伝えるようにしてください。
歯茎の切開
麻酔が効いていることが確認できたら、歯ぐきを切開します。骨と骨膜を剥離して歯を抜きやすい状態にします。
歯の分割
患者さまへの負担を軽減するために、切開は最小限に留めます。そのため、歯を取り除きやすいように細かく分割します。
摘出
細かく分割した歯を丁寧にひとつずつ取り除いていきます。
縫合・止血
歯をすべて取り除いたら、切開した箇所を縫合します。縫合した後は、10分程度ガーゼを噛んでいただき圧迫止血を行います。
親知らずを抜いたあとの注意点

親知らずを抜歯したあとには、以下の点に気を付けるようにしてください。
患部を直接触らない
患部が気になって舌や指で触りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、患部を刺激すると、傷の治りが悪くなったり傷口が開いたりする恐れがあります。そのため、できるだけ抜歯した箇所を刺激しないようにすることが大切です。
抜歯当日は強いうがいをしない
強いうがいをすると、傷口にできた血の塊(血餅)が剥がれて、出血が長引きます。また、血餅が流されて抜歯した箇所の骨がむき出しになると、ドライソケットと呼ばれる状態が引き起こされ、激しい痛みが生じることがあります。
麻酔が切れる前に食事をしない
抜歯をしてから麻酔の効果が切れるまでの2~3時間は、患部周辺の感覚が麻痺しているため、食事をしないようにしてください。麻酔が効いていると痛みを感じないため、縫合した部分で食べ物を噛んで縫合した傷口が開く恐れがあります。
また、口腔内の感覚が鈍くなっているため、熱いものを食べて火傷したり頬を噛んで傷ができたりする可能性も考えられます。
患部で食べ物を噛まない
埋まっている親知らずを抜いた後には、硬い食べ物を患部で噛まないようにしましょう。
食事の際は、抜歯した歯の反対側の歯で噛むことはもちろんですが、柔らかい食べ物を選ぶことも大切です。具体的には、プリンやゼリー、ヨーグルト、おかゆ、スープなどが良いでしょう。
なお、辛い料理や炭酸飲料などは患部への刺激となります。そのため、傷口の状態が避けるようしてください。
抗生物質や痛み止めを飲む
抜歯後には、患部の細菌感染を防ぐために抗生物質が処方されますので、歯科医師の指示通りに内服しましょう。また、麻酔の効果が切れると、患部の痛みが徐々に気になるようになっていきます。痛みが気になる時には我慢せずに処方された痛み止めを内服してください。
処方された痛み止めを飲み切った場合には、市販のものを服用してもかまいませんが、用法・用量を守りましょう。なお、痛みのピークは術後24時間~3日程度です。それ以上激しい痛みが続く場合には、歯科クリニックへご相談ください。
血行を促進させる行為は避ける
激しい運動や飲酒、長時間の入浴など血行を促進させる行為は、痛みや出血の原因となります。抜歯後2~3日は、激しい運動や長時間の運動は避け、できるだけ安静に過ごしましょう。
喫煙を控える
タバコを吸うと、ニコチンの作用によって血管が収縮し、患部に酸素や栄養が供給されにくくなります。その結果、傷の治りが遅くなる恐れがあります。また、喫煙を続けていると免疫力が低下し細菌感染のリスクがたかあるため、できるだけ控えることが重要です。
まとめ

親知らずの生え方のパターンは様々で、完全に埋まって生えるケースや一部だけ外側に出て生えるケースなどがあります。いずれにしても、放っておくと歯並びが乱れたり口臭が強くなったりする可能性があるため、早めに詳しい状況を確認したほうがよいでしょう。
「抜歯をしたほうがよいか迷っている」「抜歯による痛みが不安で治療を躊躇している」という方は、一度歯科クリニックへご相談ください。
親知らずの抜歯を検討されている方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療や根管治療、入れ歯・ブリッジ治療などの保険診療だけでなく、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科などの自由診療にも力を入れています。ホームページはこちら、ネット診療予約も行っていますので、ぜひご活用ください。