歯科衛生士と歯科助手は何が違う?歯の健康を支える2つの職業を比較

歯科衛生士と歯科助手は何が違う?歯の健康を支える2つの職業を比較

こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。

歯科助手が患者様を見ている様子

歯科衛生士と歯科助手は、歯科医院のスタッフとして欠かせない職種です。どちらも歯科医師の業務をサポートする役割というイメージがあり、具体的にどのように異なるのかわからない方もいるのではないでしょうか。

今回は、歯の健康を支える職業として欠かせない歯科衛生士と歯科助手、それぞれの仕事内容について詳しく解説し、どのような違いがあるかをご説明します。

歯科衛生士の仕事内容

歯科衛生士がブラッシング指導をしている様子

歯科衛生士は国家資格であり、歯科衛生士養成機関、専門学校、短期大学、大学のいずれかで学び、技術を習得する必要があります。修業年月は3年制以上です。

現在は4年制大学の歯学部や歯科衛生士科、口腔保健学科などでも歯科衛生士の国家試験を受ける資格が得られるようになりました。今後さらに需要が見込まれる職種であり、歯科衛生士を育てる教育機関も増えています。

歯科衛生士は、歯や口腔の健康をサポートするのが主な仕事で、高い専門性を求められる職種です。具体的な業務内容は、大きくわけて以下の3つです。

歯科予防処置

歯科医院では虫歯や歯周病の治療を行っていますが、昨今では虫歯や歯周病になる前に予防することが重視されています。患者さま自身が自宅で行うセルフケアだけではなく、歯科医院で受けられるプロによる予防ケアも欠かせません。

歯科衛生士は、予防処置の専門家として歯科医師の指示のもと以下の処置が行えます。

歯垢(プラーク)や歯石の除去

磨き残しがあると歯垢や歯石が付着しますが、それらは歯磨きでは除去できません。歯垢や歯石は虫歯や歯周病の原因になるので、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具・機械を使用して除去します。

また、再び歯垢が付着することを予防するために、歯の表面を磨きます。

フッ素の塗布

虫歯のなりやすさは、歯質の影響を大きく受けます。フッ素には、細菌による酸化の抑制、歯の脱灰の抑制、歯の再石灰化の促進といった効果があり、虫歯予防につながります。

市販されている歯磨き粉にもフッ素が配合されたものはありますが、高濃度のフッ素を塗布できるためより高い効果が見込めます。

歯科診療の補助

歯科医院の治療には、絶対的歯科医行為と相対的歯科医行為があります。歯科衛生士は、相対的歯科行為のみ担当することが可能です。

具体的には、歯科医師の指示を受けて以下の治療や手術の補助を行います。

歯石除去

歯科予防処置の一つでもありますが、歯科衛生士は歯周病の患者さんに対して、歯石除去を行えます。

ホワイトニング

ホワイトニングは、着色汚れやヤニなどで黄ばんだ歯を白くする施術です。薬剤の塗布や光の照射など、歯科医院で行うオフィスホワイトニングを歯科衛生士は担当できます。

表面麻酔の塗布

手術など、痛みが伴う治療を行う際には麻酔を注射することがあります。注射をする際の痛みを軽減するために歯茎に表面麻酔を塗布する場合、歯科衛生士がこの業務にあたれます。

ただし、麻酔の注射は歯科医師にしか行えない絶対的歯科医行為です。たとえ医師から指示されたとしても、歯科衛生士には行えません。

仮歯の仮着や調整

虫歯治療の際に歯を削った後、詰め物や被せ物をします。詰め物や被せ物は歯科技工所で歯科技工士が作製するため、基本的には歯を削った当日には完成しません。数日~1週間程度かかるので、その間不便がないよう仮歯を装着します。

プラスチックであるレジンで仮の詰め物や被せ物を作製して装着するのが一般的です。歯科衛生士は仮歯の作製・仮着・調整が可能です。

治療に必要な器具の受け渡し

治療器具を歯科医師に渡したり、歯科医師と患者さまのコミュニケーションが円滑に進むように配慮したりすることも重要です。歯を削ったり抜歯したり、歯茎を切開したり、絶対的歯科行為にあたることは行えませんが、歯科医院に欠かせない存在です。

歯科保健指導

歯の健康を守るためには、患者さまが正しいセルフケア方法を身につけることや、時には生活習慣を見直すことが重要です。お子様からご年配の方まで、それぞれのライフスタイルやお口の状態に合わせた歯磨きの仕方、生活習慣のアドバイスを行います。

歯科医院だけではなく、学校や保健センターなどでも実施しています。また、寝たきりの方の介護者に対するケアの指導にも対応しています。嚥下機能訓練、食育支援を行うこともあります。

歯科助手の仕事内容

歯科助手が健康保険証を返している様子

歯科助手は資格を取得する必要な職業ではないため、未経験の方でも就業できます。

しかし、最近では専門の学校や通信教育で学んでから就業する方が増えています。歯科助手の仕事内容は、以下の通りです。

受付

来院した患者さまの保険証や診察券の確認、電話の応対、予約の受付や変更、診療代金の会計、それに伴う事務処理などを行います。健康保険機関への請求もレセプトコンピューターによって行い、場合によっては患者さまに電話連絡もします。

診療の介助

歯科助手は、患者さまの口腔内に直接触れることはできません。そのため、治療に必要な器具を準備する、口腔内を見やすいようにライトの向きを調節する、バキュームと呼ばれる機械で口腔内の水分や削った粉を吸い込むといった作業をします。

また、型取りで使う印象材やセメントといった材料を混ぜ合わせて練る、X線撮影する際の患者さまの誘導や姿勢の確認をすることも、歯科助手の仕事なです。治療器具に関する知識や、治療の流れについての知識が必須です。

治療器具や備品の洗浄・消毒・滅菌

治療に使用した器具や備品は、それぞれ正しい方法で洗浄・消毒・滅菌しなければなりません。この業務も、歯科助手の役割の一つです。その後、決められた場所に片づけます。使い捨ての器具の場合は正しい方法で破棄します。

患者さまが安心して治療を受け、働くスタッフの安全を確保するためにも非常に重要な作業です。

事務業務

歯科医院で必要な事務業務を、歯科助手が担うことがあります。例えば、備品の発注、スタッフのシフト管理、日報の記録、各種支払いなどです。

事務業務をどの程度受け持つかは歯科医院によって異なります。治療が終了した患者さまに、定期検診のご案内のメールやハガキを送ることもあります。

歯科衛生士と歯科助手は何が違う?

歯科衛生士と歯科助手が話している様子

歯科衛生士と歯科助手の仕事は、患者さまの立場からみるとあまり違いがないように感じるかもしれません。

しかし、以下のようにさまざまな点が異なります。

国家資格かどうか

歯科衛生になるには、3年以上専門の教育機関で学び、国家試験に合格する必要があります。歯科助手の場合は特別な資格は必要ありません。

近年では養成所も登場していますが、学んでいなければ歯科助手を名乗れないというわけではないのです。

医療行為ができるかどうか

歯科衛生は、歯科衛生士法で定められている範囲で歯科医行為が行えます。歯科助手は一切の歯科医療行為が行えません。

また、歯科助手の場合は患者さまの口の中に触れることができないので、歯石の除去やホワイトニング、フッ素の塗布なども行えません。

業務の幅広さ

歯科医院にもよりますが、受付や事務業務など、歯科助手のほうが幅広い業務に携わっている傾向があります。

ただし、歯科助手ができる仕事は歯科衛生士も行えるケースが多いです。人件費などの問題で歯科助手は雇っておらず、歯科衛生士が受付や事務業務を行っている歯科医院も珍しくありません。

給与の金額

歯科衛生士は国家資格であり、業務内容の専門性が高いです。その分、給与が歯科助手よりも高い傾向があります。

歯科衛生士の平均年収は約387万円、歯科助手の平均年収は約300万円前後です。業務に伴う責任などが異なるので高いからよいというわけではないかもしれませんが、給与の違いは職業を選択する際に非常に重要なポイントでしょう。

まとめ

歯科医院のスタッフ

歯科衛生士は国家資格であるため、就業するハードルは高いといえます。

しかし、歯石の除去、ホワイトニング、仮歯の仮着や調整、歯科保健指導など専門的な業務を行えます。需要は高く、職場によってはスキルアップが見込めます。

一方で、歯科助手は歯科医師の治療をサポートする業務以外に、事務業務、受付、治療器具の管理など、業務範囲が広いです。資格が必要ないため未経験からでも就業しやすく、仕事の中でさまざまなスキルを身につけられるでしょう。

歯科衛生士も歯科助手も、歯の健康のために欠かせない大切な仕事です。需要も高く、全国各地で求人があることも大きな魅力といえるでしょう。

現在、当院でも歯科衛生士を募集しています。ご興味のある方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にお声がけください。

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