MFT(口腔筋機能療法)とは?トレーニング内容や費用と取り組む期間

MFT(口腔筋機能療法)とは?トレーニング内容や費用と取り組む期間

こんにちは。東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」です。

子どものお口の癖をチェックする歯科医師

MFTとは、口腔筋機能療法のことです。口がぽかんと開いていたり、舌の使い方を上手にコントロールできなかったりする場合に、MFTでトレーニングすることが多いです。小児歯科や矯正歯科で、MFTのトレーニングをするように勧められることもあるでしょう。

「どんなトレーニングなの?」「どんな効果を期待できるの?」「費用はどれくらいかかるの?」など、お悩みの方は多いのではないでしょうか。

この記事では、MFTのトレーニング内容、期待できる効果、メリット・デメリットなどを解説します。

MFT(口腔筋機能療法)とは

指しゃぶりをする子どもと母親にMFTについて説明する歯科医師

MFT(口腔筋機能療法)は、口周りや舌の筋肉が正しく機能するようにトレーニングすることです。子どものころに以下のような癖があると、お子さまの成長に大きく影響します。

  • 頬杖をつく
  • 口呼吸する
  • 口を開けている
  • 舌をいつも出している
  • 指しゃぶり
  • 爪噛み
  • しっかり噛んで食事をしない
  • うつ伏せ寝

上記の癖は、口周辺や舌の筋肉の成長を阻害する癖の一部です。成長期の子供は、体はもちろん、顎の骨や口周りの筋肉も発達途中です。些細な癖が習慣化するだけで、成長に悪影響が及ぶことも少なくありません。

特に、上述した口周りの癖は、歯並びに大きな影響を与えます。そのため、子どもの成長に合わせてMFTでトレーニングし、正しい舌の使い方、口の動かし方などを覚えたり、筋肉の成長を促したりすることが重要です。

また、MFTは、子どもだけでなく大人にも効果があります。

MFTで期待できる効果

MFTでしっかり噛めるようになり大きなお口でおにぎりを食べる子ども

「MFTのトレーニングをしたらどのような効果が得られるのだろう?」と考える方は多いでしょう。トレーニングには費用と時間がかかりますので、MFTのトレーニングの効果について正しく理解しておくことは大切です。

本項目では、MFTで期待できる具体的な効果を見ていきましょう。

口をぽかんと開ける癖が改善できる

口がぽかんと開ける癖を改善でき、口を自然に閉じられるようになります。口がぽかんと開いている状態が続くと、歯列不正、食べ物を正しく噛めない、発音が上手にできないなどのリスクも高くなります。

また、口がぽかんと開いていると口内が乾燥した状態になり、ウイルスや菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、虫歯や歯周病、風邪などの危険性も高まるでしょう。

MFTでトレーニングすることで、口周りの筋肉が発達し、舌を正しく動かせるようになります。しっかりと口を閉じられるようになれば、口を開ける癖が改善されたり、会話や食事のときに舌が見える状況が改善されたりするケースが多いです。

発音の改善

口や舌の筋肉が緩んでいると、話すときに正しく口を動かせません。例えば、パ行、ナ行、サ行、ラ行などは、唇を大きく動かしたり舌を使ったりして発音するため、正しく発音するためには口周辺の筋肉の成長が不可欠です。口の動かし方が悪いと、正しく発音できません。

発音が悪いと、相手が聞き取りにくそうにしている表情が気になって、話すことに自信がなくなる可能性もあります。MFTで口周辺の筋肉をトレーニングすることで、口や舌の筋肉が発達するため、発音が改善されるケースも珍しくありません。

正しく噛んで食べられるようになる

MFTのトレーニングを続けることで、食べ物を正しく噛んで飲み込めるようになります。口や舌の筋肉を正しく動かせないと、食べ方にも影響が出ます。

例えば、次のような症状が出る可能性があります。

  • 口を開けまま噛む
  • 噛んでいる途中で舌が出る
  • 食べ物をうまく飲み込めない
  • 丸呑みをする
  • 食べこぼしが多い
  • くちゃくちゃと音を立てて食べる
  • 水がないと食事ができない

口の筋肉を上手に使って食べられないため、食べ物を小さく噛み砕いたり、口を閉じたりできません。丸呑みする食べ方が続くと、胃腸にも負担がかかります。また、食べこぼしが多いと、成長したときに人との食事の場で自信を持てなくなる可能性もあるでしょう。

MFTでトレーニングすると、しっかりと噛んできちんと飲み込めるようになります。

姿勢が良くなる

MFTトレーニングをする際は正しい姿勢で取り組みますので、結果的に姿勢も改善されます。ソファーに座ったり、カーペットにゴロンと寝転んでゲームをしたり、携帯を操作したりと、現在の生活環境で正しい姿勢を身につけるのは難しい場合も多いです。

その結果、知らないうちに猫背になったり、頭が前に出た状態になったりしていることも少なくありません。姿勢が悪いと、骨や筋肉の成長にも影響し、胃腸の働きも悪くなります。

MFTトレーニングで正しい姿勢を身につけることで、全身の健康の促進につながります。

MFTのトレーニング内容

MFTのトレーニングを歯科医師に習う子ども

MFTのトレーニング内容は、具体的に以下の5つです。

<MFTトレーニング内容>

トレーニング目的方法
スポット・安静時や物を飲み込むときの正しい舌の位置を覚える①アイスの棒や割り箸をスポットに5秒当てる
②棒を離して、舌の先をスポットに5秒間つける
③この動作を5〜10回繰り返す
ティップ・舌先の筋肉を強化する①アイスの棒や割り箸を口の前で垂直に持つ
②舌の先を丸めないように意識しながら、舌の先で棒を押す
③棒と舌の押し合いを3秒行う
④口を閉じて休憩する
⑤この動作を5〜10回繰り返す
ホッピング・舌を持ち上げる筋肉を強化する①舌をスポットにつけて舌全体で上顎を吸い上げる
②そのまま口を開けて、舌でポンと音を鳴らして上顎をはじく
③この動作を10〜15回繰り返す
サッキング・舌の横の筋肉を強化する ・食べ物の飲み込み方を糺す①舌をスポットにつけて奥歯(臼歯)を噛み合わせる
②舌の横で上顎の側面をはじくようにして音を立てる
③この動作を10回行う
ボタントレーニング・口周辺、唇の筋肉を強化する①紐を通したボタンを唇と歯の間に挟む
②唇の力でボタンが出ないようにしながら、紐を引っ張る
③この動作を30秒×3回行う

歯科医院で、歯科医師や歯科衛生士が発達の様子を確認しながら楽しくトレーニングを行います。トレーニングの方法を習得すると、家庭でも保護者の方と一緒にできます。

遊び感覚で楽しく行うように意識すれば、スキンシップの時間にもなるでしょう。

MFTにかかる費用と取り組む期間

MFTにかかる費用と取り組む期間のイメージ

MFTを本格的に受ける場合は、かかる費用や取り組む期間が気になることでしょう。MFTの費用相場は、1回3,000円〜1万円です。

自由診療ですので、治療費は歯科医院によって変わります。口腔機能発達不全と診断された結果、MFTが必要となる場合は保険適用での治療が可能です。

トレーニングに必要な期間の目安は半年〜1年ほどですが、症状や発達の状態によっては2年ほど受けることもあるでしょう。MFTは子どもの成長に合わせて行いますので、トレーニングの期間は症状や取り組み方によっても異なります。

MFTのメリット・デメリット

MFTのメリット・デメリットのイメージ

MFTのトレーニングを開始する前に、メリットとデメリットについても理解することが大切です。本項目では、メリットとデメリットについてそれぞれ解説します。

MFT のメリット

MFTで口周辺の筋肉の成長を促進することには、下記のメリットがあります。

  • 発音が良くなる
  • 不正咬合を防げる
  • 歯列矯正後の後戻りを防げる
  • 咀嚼や嚥下が正しくできるようになる
  • 姿勢が良くなる

上記の項目でも触れましたが、筋肉の成長を促進することで、発音・姿勢の改善が期待できます。また、食べ物を正しく噛んで食べられるようになるため、顎の発達や全身の健康促進にもつながるでしょう。

一部の不正咬合は舌の使い方や口が開いていることが原因で起こりますので、舌の使い方や口周辺の状態が改善されれば不正咬合を防げます。加えて、歯列矯正後も正しい歯並びの位置をキープしやすく、後戻りを防げるでしょう。

MFT のデメリット

MFTに大きなデメリットは存在しません。小さな子どものころから訓練をスタートすれば、口腔機能の正しい成長を促進できます。

さらに、口周辺の筋肉のトレーニングは、子どもだけでなく大人にも良い影響を与えます。例えば、年齢の影響で嚥下や咀嚼機能が衰えてきたと感じるときや、大人の矯正後の後戻り防止としても有効です。

ただし、MFTは口腔機能のトレーニングであり、矯正治療ではありません。MFTに取り組んでも歯列不正を完全に防げるとは限らないのです。

歯並びが気になる場合は矯正治療が必要となったり、顎の成長を促進する他の治療と併用する必要が生じたりする可能性があります。MFTは、矯正治療としてではなく効果的な筋トレと考えて取り組むと良いでしょう。

まとめ

元気に遊ぶ子供たち

MFTは、口周りの筋トレとして非常に役立つトレーニングです。子どもの正しい成長を促進するだけでなく、大人の矯正の後戻り防止やリハビリとしても大きな役目を果たしています。

トレーニングの方法を正しく習得すれば、お子様でもご家族と一緒に遊びながらトレーニングを続けられるでしょう。トレーニングは半年〜1年を目処に行いますが、歯科医院でのトレーニングを終了した後も引き続き自分で続けるとさらに効果があります。

正しいトレーニング法をマスターし、食事も会話も自信を持って楽しみましょう。

MFT(口腔筋機能療法)を検討されている方は、東京都板橋区大和町、都営三田線「板橋本町駅」より徒歩30秒にある歯医者「アース歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、虫歯・歯周病治療や根管治療、入れ歯・ブリッジ治療などの保険診療だけでなく、インプラント、ホワイトニング、矯正歯科などの自由診療にも力を入れています。ホームページはこちらネット診療予約も行っていますので、ぜひご活用ください。

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